海外進出という言葉は、多くの人にとってどこか遠いものに感じられるかもしれない。言語の壁、商習慣の違い、現地での人脈や情報の不足——どれを取っても簡単なものはなく、「やりたいと思っていても動けない」という企業は少なくない。
一方で、実際に海外でビジネスを行っている人たちの話を細かく見ていくと、必ずしも最初から特別な環境や強いアドバンテージを持っていたわけではないケースも多い。むしろ、小さな接点から始まり、段階的に慣れていきながら、いつの間にか「海外で仕事をする状態」へと移行していったというプロセスが見えてくる。
今回は、SASAL, INCの創業者。宮崎県で生まれ、熊本で育った一人の日本人が、どのようにして海外顧客を中心とするグローバルビジネスを展開するようになったのかを詳しくお伺いしていきます。
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ご紹介ありがとうございます。SASALの坂元です。Cross-Border Joint Venture Ecosystemの運営を行っております。
海外でビジネスをされている方の中には、生まれが海外であったり、幼少期から海外で育っていたりと、もともと国際的な環境に身を置いていた方も多くいらっしゃいます。一方で、私はそういったバックグラウンドではなく、日本の地方で生まれ育ち、いわゆる一般的な環境の中から、手探りで試行錯誤を繰り返してきた側の人間です。だからこそ、「どうすれば海外とつながれるのか」「どういう順番で進めれば現地でビジネスができる状態に近づくのか」といった点については、ある程度分解してお伝えできるのではないかと考えています。本インタビューでは、特別な環境や才能に依存する話ではなく、誰でも挑戦できる再現性のある形で海外ビジネスに慣れていくプロセスをお話できればと思います。
本インタビューがお読みいただける企業様のお役に立ちますと幸いです。
はじめに:海外進出は誰にでもハードルが高い。でも、挑戦すれば次第に慣れる
——まず前提として、海外進出は多くの人にとってハードルが高いですよね。
はい。海外進出を含め、未知の領域に挑戦する際は誰にでも基本的に最初は怖いです。海外の場合は特に言語、商習慣、会話のテンポ、意思決定の前提の違いを気にされる方が多い印象です。
私も同じであり、初期のころは恐れがあったため、リスクを減らすために「いきなり大きく飛ばない」ことを徹底してきました。挑戦すれば次第に慣れますが、その“慣れる”を起こすためには、行動を分解して一段ずつ積むのが一番現実的だと思っています。
原点:地方育ちでも、海外は“遠すぎる存在”ではなかった
——バックグラウンドから教えてください。
宮崎県で生まれて熊本で育ちました。海外と関係がある環境ではなく、普通の一般家庭による地方の生活です。ただ、父親のいとこがアメリカ人で、幼少期に英語を話している姿を見ていたことから外国語や海外への関心は自然と沸いていました。従って、海外に行ったことはなかったものの、SASAL創業前も含めて日本国内で海外の方がいる場所に出向くように意識していた背景はあります。
第一歩:日本国内の“海外系イベント”に通い、空気に慣れる
——最初の接点はどう作りましたか。
SASALは日本法人を設立後に米国法人を設立した背景があります。日本法人設立後はいきなり海外に行く前に、日本国内で海外系ビジネスイベントに参加するようにしていました。理由はシンプルで、海外情報に国内で慣れるためです。イベントの種類にもよりますが、海外から日本に来て住んでいる方々も多く、日本にいながらもコミュニケーションをとったり現地の情報を仕入れるようにしていました。
同時進行:NYのオンラインネットイベントで“現地企業とワーキング”する
——海外側はどうやって近づきましたか。
オンラインでニューヨークのネットイベントに参加していました。ポイントは「聞くだけ」ではなく、現地企業と“作業(ワーキング)”をする機会を作ることです。雑談だけだと知り合いで終わりやすいですが、短時間でも共同で何かを考えると関係が残りやすい。SASALとしてもオンラインでの接点づくりは継続していて、たとえばオンライン定期開催(毎月20日開催)として案内されているイベントもあります。
現地ネットワークの順番:まず日系の足場、その後にローカルへ
——現地のネットワークは最初からローカル中心でしたか?
いいえ。まず現地で日系コネクションを作りました。いきなりローカルに入るのはハードルが高く、時間もかかる。だから最初は日系の仲間を作り、その後に現地の人達のコネクションを作る。紹介やイベントを通じてローカル側に接続する、という順番です。こ薄ることで一枚岩に見える海外進出もグラデーションになり慣らすことができます。
年1回・1か月のNY滞在:顔を覚えてもらうと、次の扉が開く
——現地にはどうやって慣れていきましたか?
最初は年に一回ほど、1か月くらい滞在する形でNYに慣れるようにしました。移住ではなく「1か月」という現実的な単位で、生活とビジネスの両方を経験する。接点を持つ回数が増えると、相手に顔を覚えてもらえます。NYに接点を持つうちに「次来るときは連絡してね」と言って頂けることも増えました。ここが大きいです。海外は能力より“反復”で信用が育つ面がある。1回で終わらせず、次に繋げる設計をすることが重要です。
現地ビジネスを始めてから:ネットワークが“仕事”に変わる瞬間がある
——現地でビジネスとして回り始めるのはどのタイミングでしたか?
最初はすぐ仕事になるわけではありません。イベントで会っても連絡が途切れる、フォローしても返事がないことは普通に起きます。でも、そこで止めない。小さな接点を次の接点に変えることを続けると、ある時点から「この人を紹介するよ」「一緒にビジネスをしない」という形で、関係が“導線”に変わる瞬間が出てきます。今ではその中の一部とともに仕事をする仲になっており、クライアント様のご支援をさせて頂いております。
“Cross-Border Joint Venture Ecosystem”として各国の企業様の海外進出を支える
SASALはCross-Border Joint Venture EcosystemとしてNYを中心とした海外企業を中心に事業を行っている。従って、弊社内の情報量としては英語圏の企業向けの情報の方が多い状況です。弊社の日系記事に慣れた場合は、ぜひ英語記事も見てみて頂くとより現地企業の気持ちで情報収集が可能と考えますのでぜひのぞいてみてください。また、弊社のエコシステムの登録ならびにご活用もお待ちしております。



